逆流性食道炎に効く漢方薬

逆流性食道炎は食道の運動機能低下、胃噴門部の括約不足、胃酸分泌の過剰、あるいはストレス、肥満、過食などにより繰り返し食道内に逆流してきた胃酸等により食道粘膜に炎症が起きている病態です。
西洋医学的には胃酸を止めれば良いという発想です。逆流性食道炎の患者全てが胃酸分泌が過剰というわけではないのにPPIという薬で強力に胃酸分泌を抑えます。確かに自覚的にはこれで楽になるし食道粘膜の炎症も治ります。しかし、胃から溢れ出るほど胃酸が出る人はいないだろうし、胃酸の分泌が止められている状態が人間にとって良いことでしょうか?
胃酸の役割は大きく2つあります。一つは胃酸は強力な酸ですので食べたものを消化しやすくするためにドロドロに溶かしてくれます。もう一つは食べ物と一緒に摂取してしまった細菌、バクテリアを殺菌し人体に害が及ばないようにしてくれます。また食べたものは人によって、あるいは体調によっては胃の中に数時間とどまります。胃の中の温度は37度ぐらいはあるはずです。胃酸がなければ間違いなく食べた物は胃の中で腐敗するでしょう。人間の消化器系での防御機能はまだありますので胃の中に腐った食べ物があってもすぐに健康を害するとは限りません。ただ、何年も何十年も胃酸を抑え続けるというのもどうなんでしょう。
漢方・中医学では本来どうあるべきかを考えます。口から食べたものは食道→胃→十二指腸→→→と上から下へ進んでいきます。何故かといえばこれが正しい進み方だからです。これに逆行するときは正しくない時です。体あるいは心が正しくない時、それから正しくないものを食べた時、有害なもの病気の原因になるものと身体が判断した時は嘔吐し、吐き出します。
さて、逆流性食道炎は何が正しくなくて起きているのでしょう。肥満や脂肪食の過食があれば食べ方が正しくないと言うことです。正しい食事を心がければ良くなるはずです。ストレスが原因とされることもあります。これはストレスにより気の逆行、つまり気の流れが正しくないのです。生活リズムや環境の改善で良くなるかも知れません。薬が必要な場合もあると思います。
胃や食道の機能に以上がある場合、身体が正しくない状態です。これは正しい機能を取り戻す薬が必要です。

弁証
八綱弁証
裏熱実証、裏熱虚証、裏寒虚証どのタイプも起こり得る疾患です。裏寒実証は殆ど起こりえないので無視してよいでしょう。

病位
心包経〜胃経までの比較的浅い位置です。
気にしなければ無視できる程度の症状から、我慢するのが少し辛いかなという程度の範囲で、周りから見て異常は感じられない。

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処方例
・エキス剤
逆流性食道炎の漢方治療はエキス剤のレベルでは急性胃炎に対する対応に近いものとなります。痛みまで達しない胃・食道部の不快症状と言うことです。
熱実証 黄連解毒湯 大柴胡湯
熱虚証 半夏瀉心湯 柴胡加竜骨牡蛎湯 黄連湯 柴胡桂枝湯 小柴胡湯
寒虚証 半夏厚朴湯 平胃散 二陳湯 安中散

・煎じ
おおまかに言ってしまえば熱証は上部消化管の過活動により胃酸分泌が活発になっているので胃熱を冷ましてあげることが基本です。
逆に寒証は上部消化管の活動が低下気味で食物が滞留していますので胃の運動を正常にしてあげることが大切です。

熱証 黄芩 黄連 半夏 生姜 大棗 炙甘草 枳実 牡蛎
便秘するなら 大黄 赤芍を加える。
下痢軟便気味であれば 枳実を陳皮に変え沢寫、茯苓、白朮を加える。

寒証 香附子 半夏 厚朴 生姜 大棗 茯苓 陳皮 白朮 炙甘草
あくまで逆流性食道炎の胸焼け、呑酸、嘔気と言った症状に限定したものです。
現実的には胃もたれや食欲不振などより深い症状を伴うことが多いでしょう。

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