炙甘草

炙甘草(しゃかんぞう)

基源 マメ科カンゾウ

部位

薬効 緩和、解毒、鎮痙、止渇

薬性 平 平 潤 平 収

臓象 脾土

帰経 十二経

 

使用目的

1.捕中益気・清津

・補中益気

人参や黄耆の補助として食欲不振、元気が無い、疲れやすいなど脾胃気虚の症状に使います。

・益気複脈

補気とともに生津に働き、動悸・脈の結代(不整脈)などを改善する

・補気生津

気津両傷の口渇・元気がない・疲労感などの症状に人参、麦門冬の補助として用いる。

2.緩急止痛

甘緩の性質により攣急(筋肉のけいれん)を緩和する。

3.調和薬性・緩和薬効

方剤に含まれる構成生薬それぞれの性質を調和させる。また強い効能を持つ方剤では効果が過剰にならないように緩和する。

4.その他

潤肺化痰

保護脾胃

扶脾

解説

通常漢方処方に用いられる甘草は炙甘草です。炙甘草は甘草に蜂蜜をまぶし鍋で炒める修治を行ったものです。日本では殆どの場合、炙甘草ではなく、乾燥しただけの甘草(以下甘草と記す)が用いられています。エキス剤においては炙甘草湯以外はすべて甘草が使われています。炙甘草の性質はほぼ平ですので、すべての体質的、薬効的偏りをなくそうと働きます。方剤の中においては個々の生薬のトゲといいますか、尖すぎる面、強すぎる効果を和らげ、思わぬ方向へ薬効が向かうのを防いでくれています。甘草のままですと、若干の寒性があり、諸説はありますがおそらく湿性も炙甘草より強く、浮腫みを起こしやすいのではないかと思われます。
私自身の甘草の用い方としては、急性疾患には甘草自身の作用を強く出すために甘草そのままを使います。慢性的な疾患には炙甘草を用います。
ついでに書きますと、日本において生薬の修治は殆ど行われていません。熟地黄のように修治済みで流通しているものもありますが、エキス剤では乾地黄がそのまま使われていたり、杜仲のように生薬卸によって修治済みと未修治のものが同じ杜仲の名で販売されています。修治によって使い分けが出来る、当帰や芍薬はそのままの乾燥品しか流通していません。修治に関してはこのサイト内でもまた詳しく書きたいと思います。

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