肥満症

漢方薬をダイエットに用いることが一般的になってきていますが、効果はあるのでしょうか。結論から言えば漢方薬で効果があるのは病的な肥満だけです。正常範囲、適正体重付近にある体重をそれ以上落とすことは出来ません。身体を壊しても構わないということであれば不可能ではないかもしれませんが、それなら他の方法を取られたほうが良いでしょうね。漢方薬で治療対象となる肥満は、それ自体で病的な肥満、あるいは高血圧や糖尿病、痛風、膝関節痛など他の疾患を誘発している肥満です。今回は八綱弁証を主体に肥満の原因、そして解決法を考えてみます。
太る、あるいはなかなか痩せないと言うのはどういうことなのでしょうか、体重が増えるか減るかは、食べた量と運動量の関係です。食べる量が多くて運動量が少なければ太ります。あまり食べていなくても動くことが少なければ痩せません。それと、何もしていない時の基礎代謝ですね。基礎代謝が低い人はどうしても痩せにくいです。これが太りやすい体質の部分でしょう。
まず太る要素として考えられるものは、熱証、これは火照りやすいとかのぼせやすいとか、暑がりの体質です。この熱証の特徴の中に食欲の亢進があります。熱証の人は胃腸の働きもよくたくさん食べてしまいがちです。実証という体質は何でも蓄えてしまう、余分なものを身につけてしまう性質があります。熱証で実証であればそれだけで太りやすいです。ここに湿証という体質が加われば間違いなく太っていくでしょう。さて、脂肪というのは油でしょうか?それとも水でしょうか?多くの人は脂肪は油だと答えるはずです。漢方では大昔から脂肪は水として捉えています。これは化学的にも正しいことです。確かに脂肪は食べるときは油です。体内でも油です。ですが出て行く時は水です。正確には水と二酸化炭素です。脂肪酸は燃焼すればCO2とH2Oになります。体脂肪が減少するときは尿や汗がよく出るはずです。尿や汗が出づらければ脂肪が燃焼しにくい体質です。それが湿証です。それから升、主に便秘ですね。下に向かうべきものが下に進んでいかない状態です。収、これは主に汗ですね。発散しない状態です。排泄がうまくいかない状態です。
熱・実・湿・升・収、これが太る原因になる体質です。
次になかなか痩せない人がいます。それほど食べていないのに体重は変わらない。こういう人は運動量が少ない事が太る原因になっています。ならば動けばよいのですが、多くは動かないのではなく動けない人たちです。実とは逆の虚と言う体質ですが、虚証の人は疲れやすく元気がありません。動くと疲れるのでなるべく動きません。エネルギーを消費しませんので痩せません。熱虚湿症の人は大変です。食欲があって食べるのに動かないし体質的にも脂肪を燃やしにくいのです。一番痩せづらいかもしれません。寒証と言う体質はいわゆる寒がり、冷え性の体質です。肥満と直接関係なさそうにも思えますが、寒証、冷えるということは、それだけ熱生産が少ない、代謝が低いと言うことです。基礎代謝が高ければなにもしない時でも脂肪を燃焼して減らします。寒証の人は代謝が低いために脂肪が燃えずに蓄積しやすくなります。

 

太る要素
熱:食欲過多
実:余分なものをつけてしまう
湿:脂質代謝不良
升:出て行かない
収:貯めこむ

痩せない要素
寒:代謝不全
虚:運動不足

熱実(湿升収)太りやすい=食べた分だけおもいっきり運動
熱虚湿(升収)太りやすく痩せにくい=食べ過ぎない事が大切

寒虚湿(升収)太ったら痩せないタイプ=無理のない運動や食事で身体を温める

処方例

熱実証 大柴胡湯
熱実湿証 大柴胡湯+五苓散、茵蔯蒿湯
熱実湿升収証 防風通聖散

熱虚湿証 柴苓湯 熱虚湿升収証 茵陳五苓散

寒虚湿 防已黄耆湯

 
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