過敏性腸症候群に効く漢方薬

過敏性腸症候群または過敏性大腸炎は、6ヶ月以前から症状がある器質的障害のない機能的胃腸疾患であり、症状発現には脳腸相関が深く関わり様々なストレスが憎悪要因として作用しています。
腹痛や腹部不快感とともに排便障害(下痢・便秘)がおこり、排便により症状が軽減するのが特徴で、どちらかと言うと男性は下痢型、女性は便秘型が多いように思われます。
下痢型の場合でも体重減少を伴わないのが特徴でもあり、多くは緊張感や不安感の高まる場面での症状が発現します。
漢方での対応は比較的簡単で十分に効果が期待できる疾患です。

弁証

八綱弁証

結果的には脾の働きの失調ですから虚証しかなり得ません。
熱・寒はどちらもあり、熱証では下痢型、便秘型いずれもあり、
寒証では下痢型のみです。

病位

栄養障害がないのが特徴ですので胃〜大腸経
六経では陽明病・太陰病となり、かなり曖昧で幅広いですね。

臓腑弁証

 肝脾不和

肝気の疏泄失調と脾の運化失調が、相互に因果をなしている病態であり、いずれに重点があるかにより対応を変える必要があり、
肝気犯脾と脾虚肝乗にわかれる。

肝気犯脾 

肝気鬱結・肝火により疏泄が失調し、脾の運化作用を阻害する病態であり、肝気の疏泄失調が主体です。

肝気鬱結・肝火の症状(イライラ怒りっぽい・不眠・頭痛・目眩・耳鳴り・・・)とともに食欲不振・腹部膨満・腹鳴・腹痛・排ガス・頻便あるいは下痢などの症状が出ます。排便は精神的な緊張や情緒の変動にともなって生じ、日に何度も発生します。

 治法:疏肝健脾

脾虚肝乗

もともと脾が虚弱で運化作用が不十分なため、肝への陰血供給が不足し肝血が虚し、相対的に肝陽上亢となり、肝気が脾の虚に乗じて運化を失調させる病態であり脾虚が主体になります。

食欲不振・空腹感がない・味がない・元気がない・疲れやすい・腹満・泥状便など脾虚の徴候が明らかで、特に誘引がなく腹痛・腹鳴・頻便・下痢が間歇的に反復してあらわれるのが特徴です。

治法:健脾柔肝

処方例

肝気鬱結・肝火の症候があり熱証の場合で、便秘型なら加味逍遥散を用います。

熱証で下痢型の場合は柴苓湯あるいは柴胡桂枝湯+五苓散、胃苓湯を用います。

脾虚が主体の場合は寒証であり下痢型になりますので桂枝加芍薬湯が基本になります。

腹痛があり便が出きらない感じがある場合は小建中湯を、脾虚が顕著でありながらストレスによる悪化が明らかな場合は柴芍六君子湯が適します。

脾虚で明らかな栄養障害、体重減少が見られる場合は過敏性腸症候群の範囲を超えた慢性胃腸疾患ですので人参湯及びその派生方剤で対応することになりますので他の疾患を参照して下さい。

 

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