十二経絡

漢方薬、湯液における十二経絡は主に病気の深度・位置・重症度を意味し、方剤の効果が集中する経絡、方剤帰経を病位を合わせることで安全で確実な効果を発揮できます。
膀胱経、肺経、心経、心包系、胆経、胃経、小腸経、三焦経、大腸経、脾経、腎経、肝経
この十二段階を十二経絡と呼び、生態の防衛段階であり、病の進入位置でもあります。

膀胱経は生体防御機構のもっとも外側であり、ここでの戦いが比較的日常的な急性症状を表すことになり、
いわゆる表証の部位、症状です。
表証のなかでも症状が頭痛・発熱・呼吸器症状・皮膚症状にとどまれば肺経として扱います。

裏証の各段階に関して簡単に説明すると次のようになります。

心経
イライラ、のぼせ、手のほてり、不眠など情緒的症状が主で、肉体的疾患がない段階

心包経
心包とは心下にある袋、つまり胃を表し、精神的な症状が胃に影響を与えている段階。

胆経
胆力という言葉がありますが、胆経の病とは、気力によって克服できる段階の症状、疾患と言えます。
過敏性大腸炎や神経性膀胱炎など、もっと深い位置にあるように思われますが、その多くは胆経の病となります。

胃経
これはもう気力だけでは乗り切ることのできない、明らかな胃腸疾患がみられる段階。
急性胃炎、感染性胃腸炎など胃経から侵襲される病です。
慢性的な、常に便秘、下痢といった状態も胃経として扱わなければなりません。

小腸経
血液、汗、尿に関する病。

三焦経
焦とは、焦げるであり、炎症、化膿を意味します。

大腸経
全身機能のバランスが乱されている段階。

脾経
卑とは大事なものをしまっておく器のことで、人体にあてはめれば栄養状態のことです。
脾経の病とは(明らかに)瘰痩、肥満がみられる、またはそれによる疾患と言えます。

腎経
基本的な生命力が侵された段階。
内分泌、心臓、腎臓、生殖などに関わる病。

肝経
人体にとって最後の防衛戦。干は盾であり、国王みずからが盾を持って戦う段階です。
ほとんど不可逆性の構造障害、起床不能、尿崩、便閉、常時出血など、
ほとんど死との戦いという段階ですが、長期的な血液症状ということで、女性の生理、生殖等に関わることは、
肝経として扱うべきものが多くあります。

傷寒論では病位を六経という六段階の深さで分けています。
膀胱経・肺経を太陽病として、一番深い肝経が厥陰病、その手前の腎経が少陰病と一致します。
そしてその間の心経〜脾経の8段階が熱証で少陽病と陽明病の2段階、寒証に関して太陰病のみに分けられています。
傷寒論はもともと志の低いものに医道を学ばすために編纂された書物であり、あらゆる点で簡略化、省略可がなされています。
こうしたところからも傷寒論を基礎においた日本漢方の治療成績の低さを招いているのでしょう。

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