感染性胃腸炎

ここのところ年末になると大流行するノロウイルスによる感染性胃腸炎ですが、ノロウイルス以外にもロタウイルスや、カンピロバクター・病原性大腸菌等による感染も感染性胃腸炎に含まれます。ただ、細菌性の場合は抗生物質が奏功しますので、漢方での治療を試みるべきなのは主にウイルス性の感染性胃腸炎になるかと思います。感染性胃腸炎の主な症状は悪心、嘔吐、下痢、腹痛、血便、発熱、倦怠感、頭痛などです。
ウイルス性の場合は下痢よりも悪心嘔吐の症状が強いのが特徴です。
さて、漢方では病名で薬が決まることはありません。漢方独特の診断、証の決定を行わなければなりません。また、平素の食習慣や体質がウイルス感染などの際の症状を決定づけています。

弁証
八綱弁証
熱証、寒証いずれも有ります。
実証、虚証いずれもあります。
腹痛が強い場合は実証、腹痛が軽い場合は虚証と診ることが出来ます。
下痢が主症状の一つである時点で、寒証であるか、熱証であれば湿が関係すると
考えられます

病位
食事が取れないほどの嘔吐、下痢を繰り返しますので、脾経まで達していると
考えるべきでしょう。陽明病の深いところです。

臓腑弁証
湿熱阻滞脾胃
湿熱の邪による脾胃の障害。平たく言うと、脂っこいものや美食、飲酒が多い人が感染すると陥りやすい病態です。食欲がなくなり、油ものや臭いで追う気がし、口が苦く、体が重くだるく、尿が濃い、下痢といった症状があり、発熱がある場合は長期間あがったり下がったりします。口渇があっても水分を欲しないので津液は足りており脱水の心配はありません。
治法:清熱利湿
茵陳蒿・猪苓・沢泻・滑石・黄連・黄芩・山梔子・蒼朮・藿香・厚朴

大腸湿熱
湿熱の邪による大腸機能の障害。痛みを伴う頻繁な下痢ですっきりしない。悪臭が強く膿や粘液、血が混ざることもある。細菌性の感染性胃腸炎の場合が多い。
治法:清熱解毒・燥湿
黄連・黄芩・黄柏・地楡・木香・檳榔子・枳穀

寒湿困脾
寒湿の邪によって脾胃の運化機能が阻滞された病態である。清涼飲料水の過剰摂取・果物や生物の過食が影響している。食欲不振・悪心・口が粘る・身体が重い・頭が重い・腹痛と軟便~水様便などの症状がある。
治法:運脾化湿 藿香・蒼朮・厚朴・半夏・茯苓・猪苓・薏苡仁・白朮・白扁豆胃寒
文字通り胃の冷えです。普段から胃の働きの弱い人が生物や冷たい飲み物を摂取したために陥る病態。上腹部の冷え痛み、胃が動かない感じ、水様物の嘔吐、水様便。
治法:散寒止痛 桂皮・人参・呉茱萸・乾姜・蜀椒・附子・白朮処方例熱実証
(大腸湿熱、湿熱阻滞脾胃)
茵蔯蒿湯、葛根黄芩黄連湯、連朴飲

熱虚症
(湿熱阻滞脾胃)
茵陳五苓散、胃苓湯
寒虚証
(寒湿困脾、胃寒)
参苓白朮散、人参湯、六君子湯、桂枝人参湯

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