八綱弁証

八綱弁証とは
漢方薬を用いるにあたって最も基礎になる診断法が八綱弁証(はちこうべんしょう)です。基礎的な体質、病の性質を分類する手法です。
この八綱弁証による診断を誤れば漢方薬の効果が無いどころか、かえってひどく悪化させる事にもなります。漢方薬に関わる方だけでなく実際に飲まれる患者さんにも知っておいていただきたい知識です。
理論的には難しいものではありません。八通りの分類を行うだけです。

表・裏
まず表、裏を分けます。表証とは基本的には急性疾患と思っていただいてよいです。(証とは漢方で言う症状のことです)
裏証とは慢性疾患、罹患してから2週間程度以上経過している症状がある場合、体の内部(内蔵)に異常・症状がある場合です。
そして表・裏それぞれに熱証・寒証、実証・虚証が有ります。
表寒実証・表寒虚証、表熱実証・表熱虚証、裏寒実証・裏寒虚証、裏熱実証・裏熱虚証の八分類となります。

熱・寒と実・虚

病性理論

熱証・寒証を病性とも言います。病気の性質、偏りであり体質の性質、偏りです。

熱証
熱証側の偏りは、より熱生産、熱量過剰の方向です。
興奮的、機能亢進的、炎症・充血傾向となります。
顔色:赤
舌:黄苔、紅色
冷気を好み、暖気を嫌う(冷房、薄着を好む)
顔、四肢のほてり、煩熱
発熱時に悪寒より熱感が強い
冷たいものを飲みたがる
帯下:濃くて少量
月経は早めに来て量が多い
経血:鮮紅色
尿:遠くて量が少ない
濃い黄色
便秘しやすい
嘔吐する場合は食後すぐ(2時間以内)
濃い痰・鼻汁
脈:数
寒証
寒証側の偏りはより熱量不足で冷えている
弛緩的、機能低下的、アトニー的、貧血傾向となります
顔色:白
舌:白苔、淡白色
暖気を好み、冷気を嫌う(暖房、厚着を好む)
四肢が冷える
発熱時に悪寒が熱感より強い
温かいものを飲みたがる
帯下:薄くて大量
月経は遅れがちで量が少ない
経血:暗黒色
尿:近くて量が多い
無色透明
下痢しやすい
嘔吐する場合は食後時間が経ってから(2時間以上)
薄い水っぽい痰・鼻汁
脈:遅
熱証の病気を治すには寒性の生薬・方剤を用い、寒証の病気を治すには温性の生薬・方剤を用います

病勢理論

病邪と体力との均衡関係であり、
病邪が正気より強ければ実証であり、正気が弱くなっているのが虚証になります。

実証
目に力があ、動作が活発
舌:舌苔が厚くしっかりしている
声に力がある
あまり疲れない
寝覚めは良い
大食できる
自汗はない
生理痛は生理が来る前に痛む
経血は少ない
便秘しやすい
脈:実脈
痛いところを触られるのを嫌がる

虚証
目に力がない
動作が鈍い
舌:黒苔
声に力がない
疲れやすい
朝の寝起きが悪い
少食
自汗がある
生理痛は来てから痛む
経血は多い
下痢しやすい
脈・弱脈
腹に力がない
痛いところを触ると気持ち良い

実証は余分なものが付いているために病気になり、虚証は足りないものがあるために病気になっている状態です。
実証には邪を除く寫薬を用い、虚証には必要な物を補う補薬を用います。

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