慢性閉塞性肺疾患(COPD)に効く漢方薬

喫煙などによる有害物質の長期吸入により慢性の肺の炎症であり、咳・痰、呼吸困難が主な症状です。特に深刻なのは労作性の呼吸困難、少し階段を登っただけで息が切れて動けなくなるようになります。症状が軽い間は歳のせいだと思っていたり、他の疾患の影響と思い治療が遅れていたケースも多かったのではないかと思います。通常の病院での治療は、気管支拡張剤・β刺激剤の吸入、テオフィリンなどのキサンチン誘導体の内服です。こうした治療でも症状は劇的に軽減され、楽に日常生活が送れるようになることも多くあります。ただ、ここにもやはり西洋医学の落とし穴とも言うべき問題があります。COPDが重症化するにつれ、肺でのガス交換、つまりは体全身へ酸素を供給する働きが低下していきます。そのためにより多くの血液を末梢へ送り出そうとし心臓への負荷が大きくなります。やがて心臓の働きも限界を超え、心臓自体も酸素不足となり心不全状態となります。COPDの治療に使われる気管支拡張剤・β刺激剤、キサンチン誘導体は心臓に負荷をかけます。短期的に見れば心臓の働きを高めますが、徐々に心臓を疲弊させていきます。こうした問題も踏まえて、中医学・漢方でのCOPDに関する考えをまとめてみます。

弁証
八綱弁証
原因である煙草は温性であり、多くの場合、少量の痰、あるいは粘性の強い痰を伴うことから
原則的に熱証と考えられます。
また、ごく軽症の場合は寒証もあります。
深刻なほど重症化した場合も寒証は有りますが、この場合は心不全など他の疾患を併発しているはずですので治療対象が異なってきます。

実・虚では虚証のみです。
発作的な症状を呈している場合は喘息として扱います。
燥湿では、基本的に燥証です。

浮腫・多量の薄い痰など湿証の症状が出てきた場合は心不全を起こしていますので、利水剤を併用します。

病位
心・心包経
腎経
六経で言うと少陽病と少陰病

臓腑弁証
心肺気虚
生来より心が弱いために喫煙等の起因もなく慢性的な咳・呼吸困難を呈しています

肺陰虚
煙草の熱性で肺の陰液が消耗した状態
乾咳・無痰あるいは粘性の強い少量の痰、声嗄れといった典型症状
肺気陰両虚
気虚を伴い疲労感などが強い
肺腎陰虚
老化とともに症状が進行
あるいはもともと小児ぜんそくなどがあった場合
火照りなど熱証症状が顕著になる。

治法
寒虚証で心肺気虚が考えられる場合は四君子湯を基本に半夏、陳皮などの化痰剤を加えます。
熱虚証で心肺気虚が考えられる場合は炙甘草湯を基本に五味子、酸棗仁、遠志などの止咳平喘、安神薬を加えます。
肺陰虚は熱虚症です。滋陰・清熱化痰のために麦門冬湯、生脈宝、滋陰降火湯などを用います。
心不全を伴う場合は利水剤を併用していきますが、そうなる前に補腎が重要になります。
むくみやすくなったり、尿量減少、耳鳴り、足腰のだるさを感じたら沢泻・車前子・白朮・牛膝などの利水剤とともに六味丸などを考えます。

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